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2013年10月 2日 (水)

久しぶりの長塚作品

9月最後の観劇は葛河思潮社「冒した者」
長塚圭史さんの阿佐ヶ谷スパイダースと別に作品を提案するユニットらしい。

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三好十郎の1952年の作品を今この時に上演する。

一つ屋根の下に8人がそれぞれ暮らす。医者とその妻。医者の弟で復員してきた学生。進駐軍を相手に働く女とその父。その家の持ち主の遠縁で昔は芸者だったという女。その女の許嫁?の男。広島で被爆し、盲目の女性。そして語り部となる、書けなくなった劇作家。

そこに現れる一人の男。

みんなが戦争によって何かを失い、そんな中でもがき暮らして行く様。
喪失感と戦いながら生きる様。

あの時代に、原爆というとてつもないものを作り出した人、そしてそれによって失われた多くの命。

その時の憤りのようなエネルギーがものすごい力で迫ってきた作品だった。

シンプルな舞台の上で、膨大なセリフによって語られて行く物語。

俳優の力量がしかと問われる作品の中でみんなが健闘したゆえに成立している作品となっていた。

私の勝手な印象だけれど、長塚さんの演劇の対するアプローチが、ロンドンへ行く前と今では変わってきているよう。

人間は変化しながら、新しいものを生み出すものなのかも。

なぜ今この作品なのかも含め、
とても有意義な時間を過ごせて気がした。

小さい劇場だけど大入り。

キャストへの興味だけでなく、作品の奥にあるものをひとりひとりが掴み取って帰ってくれているなら、日本の演劇シーンもまだまだ希望があるように思う。

まあ、私は単純に長塚作品のファンでそれだけで観に行ったから偉そうなことは言えませんが(笑)

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